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ボスニア・ヘルツェゴビナを構成する主要3民族のうち、クロアチア人とセルビア人はキリスト教徒であり、4月の最終日曜日はキリストの復活の日として「復活祭」を祝います。カトリックのクロアチア人は「ウスクルス」と呼び、正教(オーソドックス)のセルビア人は「バスクルス」と呼びます。
この復活祭は日曜日から火曜日までの3日間ですが、木曜日の夕方から復活祭の行事が始まります。そのため、人々にとって大変な毎日になります。家中の家具や壁までを綺麗に塗りなおしたり、とにかくすべてを綺麗にして復活祭を迎えるように用意します。FKクリロのコーチのチェロの家とお世話になっているモチェビッチ宅の掃除を手伝いましたが、日本の正月前の大掃除のような、いやそれ以上の規模の大掃除にビックリしました。
とにかく、家具を解体して塗りなおし、絨毯を全てはがして叩いて埃を取り払い、隅々まで綺麗にするのです。中でも台所の掃除は恐ろしくハードなものでした。
「これを毎年やるの?」と聞くと、「当然!スラーバ(正教の行事)や新年の前もあるから2、3回はあるよ」と返ってきました。
引越しするくらいの勢いであるこの大掃除、毎日夜更けまで続いていました。
さて、木曜日の夕方までに大半の過程はこの大掃除を終えて、教会に向かいます。復活祭の前に教会でお祈りをするのです。まだ、建設途中ながらも内装が美しいボイコビッチの正教会には多くの人々が集まっていました。しかしながら、これは日本と同じようで、若者の数は少ないようでした。神事などにはこちらの若者も関心が薄いようです。
金曜日は「神聖なる金曜日」として肉類、卵、乳製品を食することを禁じられます。金曜日の食事は魚のフライとポテトと玉ねぎのサラダで、この食事が一般的だそうです。魚のフライは日本におけるアジのフライのようで美味しいです。
金曜日は復活祭に向けて各家庭で卵作りが始まります。卵に草花の模様などをつけて染色し、ゆで卵を作ります。このゆで卵が初めて復活祭を経験する人にとってはやっかいものになります。
復活祭当日、人々は朝早くに教会に行きます。お祈りをささげるのです。お昼間の時間に教会に入ってきましたが、誰もいない教会の中ではボイコビッチ中の家庭で作られた色とりどりの卵がささげられていました。青、赤、黄色、紫、緑などきれいに模様がつけられ染められた卵が綺麗に並べてありました。
教会から戻ると、作った卵で行事が始まります。これが大変です。
一人一つの卵を持ち、てっ辺とてっ辺をぶつけ合います。割れたほうが負けです。てっ辺が終わったら今度は底辺をぶつけ合い、両方とも割れてしまった場合は完全に負けとなり、そのゆで卵を食べなくてはなりません。
今年はなんとかいい卵にめぐり合えたので、お腹の重たい思いをすることはありませんでしたが、初めて復活祭を経験した時はこの卵を7個も食べることになり、悲劇的な状況になりました。
聖誕祭の日は人々はそれぞれの家庭でパーティーを開き、親族が集まり、祝います。豚肉、鶏肉など豪華に振る舞われます。もちろんテーブルには卵は欠かさず置いてあるのですが……。
今年はクリロのコーチであるズドラブコ・ジェビッチの奥さんの実家のパーティーに招待され行ってまいりました。櫻の木下にテーブルが置かれ、ビールとラキヤで乾杯し、ブタの丸焼きと鶏の丸焼きをたらふくご馳走になりました。「もう食べられない!」と言っても次から次への料理が運ばれ、食べて飲んでキリストの復活を祝う聖誕祭となりました。
今年の復活祭は好天に恵まれました。櫻とプラムが美しく咲き乱れるボイコビッチで聖誕祭は夜中近くまで祝われました。
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