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SFP設立の背景・活動理念

 サラエヴォ・フットボール・プロジェクト(SFP)は、ボスニア・ヘルツェゴビナでおきた紛争とその後も残る民族問題に関心を持った学生たち(当時)により、「できることをできる限り」のモットーの下、サラエボにおいて多民族混成少年サッカーチーム「FKクリロ」を設立し、運営を行っているNGOです。
 ボスニア紛争の結果、ボスニアは、ボスニア連邦(ボスニャック人とクロアチア人が主に在住)とセルビア人共和国(セルビア人が主に在住)という準国家に分断され、かつては民族関係なく共に暮らしていた人たちでありながら、相互の交流はほとんどない状況となりました。それぞれに住む民族は、相手の民族に対して憎悪あるいは嫌悪の感情を持ち、多くの人たちは交流など望まないほどでした。しかし、双方の民族が融和しない限りまた新たな紛争の火種が噴き出すことは明らかであり、地道な交流・対話が不可欠な状況でした。
 そこで、両地域の人々、民族に関係なく愛されるサッカーであれば、民族間の交流ができるのではないかというアイディアから、「紛争によって引き裂かれた多民族間の絆の回復を、サッカーを通じて求めていきます」という活動理念を掲げ、SFPは多民族混成少年サッカーチーム「FKクリロ」を2000年2月に設立し、現在も運営を行っています。
 民族間交流を望まない人たちが多い中で、「民族交流をすべきだ」といくら私たち日本人が理想論を振りかざして言ったところでおそらく誰も活動には参加しなかったことでしょう。そこで私たちは、1)子どもたちに無料でコーチたちによるトレーニングを提供する、2)自力での移動が困難な相互の地域をバンで送迎する、そして3)民族の間に関係のない日本人が入る、という活動の基本コンセプトを考え出し、子どもたちが集まりやすいように工夫をしました。設立当初こそ、両地域の交流までには苦労を要しましたが、いまでは子どもたちは両地域より民族関係なく集っています。
 クリロの活動を通じて、共に練習し、仲間として試合を戦い、相互の地域を行き来することで、子どもたちが他民族に対する偏見を持たず、寛容さを身につけ、さらにはサッカー技術を向上させることでそれぞれの将来の道が開かれることを、SFPとしては目指しています。
 また、クリロに日々参加する子どもたちを中心としながら、クリロを卒団したOB(15歳以上)との継続的交流、子どもたちの親同士の交流、ボスニア連邦とセルビア人共和国双方からチームを招いてのサッカー大会開催など、民族間交流の機会をさらに広げていっています。

今後の活動方針
 サラエボに今も残る民族の壁を乗り越えるため、サッカーを通じた信頼醸成を目的に立ち上げたFKクリロは、3年余りの活動を通じ、子供たち、スタッフたち、保護者たちの間で、民族に関係なく一つの場に集う仲間=チームとしての意識を共有させることができました。
 今後は、これまでクリロが涵養してきた民族融和精神を、現在の活動拠点においてさらに地域コミュニティへ波及と浸透させていくことを目指します。そのために、両地域をつなぐ地域においてスタジアムのような活動拠点を設けることを目指します。またその後は、サラエボ以外の民族融和活動が必要な地域に対して活動を広げていくことを目標とします。
 これまでクリロの活動は、SFPが活動方針を定め、全面的な資金援助のもとで行われてきました。しかしこれからは、現地のスタッフが何の活動が必要か考え、自分たちでチームを運営していくことが不可欠です。そこで、順次クリロの運営体制を現地自立型へと転換していきながら、SFPではクリロの活動を通じてサラエボやボスニア・ヘルツェゴビナを日本において広報し、日本とボスニア相互の一層の交流に貢献することを目指していきます。

SFPの主な活動

−FKクリロの運営、運営に伴う資金調達活動
 FKクリロは、クリロサポーターズクラブ会員の皆様からの会費、個人・法人からの寄付金、東京都等からの助成金、フリーマーケットやTシャツ販売などによる事業売り上げ、等の資金により運営されています。
 皆様には、会費や寄付金納入Tシャツ購入などによる金銭的支援、あるいは、フリーマーケット実施時の手伝いとしてのボランティア参加等のご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。

−FKクリロ、サラエボ、ボスニアに関する広報活動
 SFPでは広報活動として、当ホームページの運営、会員向けニュースレター「翼」の発行(年2回)、登録者向けメールマガジン「Wings to Fly」の発行(不定期刊)、活動の講演、NGOイベントへの参加などを行っています。
 皆様には、講演会などへの招待、NGOイベントやニュースレター発送時のボランティア参加等のご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。

−FKクリロ、サラエボ、ボスニアとの交流活動 
 SFPではFKクリロの活動現場を見ていただき、活動への理解を深めていただくための交流活動を会員の皆様向けに行っています。ご関心をお持ちの方は、事務局までお問い合わせください。

活動収支概要(2002年度)

収入

(円)

 

支出

(円)

会費

168,000

 

現地活動費

496,928

寄付金

500,252

 

国内活動費

120,575

事業収入

74,940

 

借入金返済

201,909

前期繰入金

381,812

 

次期繰越金

305,592

 計

1,125,004

 

 計

1,125,004

刊行物
・「サッカーが越えた民族の壁」(明石書店・森田太郎著)

協力・関係団体等(50音順)
・秋野豊ユーラシア基金
・株式会社アジール
・株式会社モルテン
・株式会社ブレインネットワーク
・清水ゴール
・ジュビロ磐田
・東京蔵前ライオンズクラブ
・東京都
・ボンボネーラ

掲載記事・ラジオ出演等一覧
・毎日新聞(2001年1月29日)
・スポーツ報知(2001年2月2日)
・東京新聞(2001年2月19日)
・Daily Yomiuri(2001年4月7日)
・NHK国際放送「Japan and World 44 minutes」(2001年5月28日)
・聖パウロ女子修道会誌「あけぼの」(2001年7月1日)
・読売新聞(2002年1月)
・J-WAVE「JAM THE WORLD」(2002年1月28日、2月4〜8日)
・朝日新聞(2002年4月22日)
・Foreign Press Center Japan「People in the News」(2002年6月)
・朝日タウンズ(2002年10月)
・東京国際交流財団機関紙「レスパス」(2002年10月)
・朝日ウイークリー(2003年5月18日)
・共同通信社系列紙(2003年9月26日)